2023年1月、岸田首相は育休中のリスキリングを支援する、といった趣旨の発言をして炎上しました。
「育休は子育てに専念する時期で休みではない、育休中なら時間があってリスキリングができるだろうと考えるなんて、子育ての実態がわかっていない」という意見が相次いだのです。
実際、育休中は時間を持て余すわけではなく育児に追われる日々を過ごすのですが、本当にリスキリングはできないのでしょうか?
答えは、「子どもによるが、家族の理解と計画的な準備があれば可能」です。
この記事では、実際に育休中に宅地建物取引士の資格を取得した私の体験談をお伝えしていきます。
なお、効率的に資格を取得するのであれば、スマホで学習できるスタディング(STUDYing)の宅建講座 などを受講するのが良いかもしれません。
※ この記事は、実際に育休中に宅地建物取引士の資格を取得した方に記事を執筆いただいています。当サイトでは、記事の正確性を維持するため、必要に応じ、貴重な経験や体験をされた方に執筆にご協力いただいています。
1.私が宅建の資格取得を目指した理由
私は第二子を出産後の育休中に、宅地建物取引士(以後宅建)の資格を取得しました。宅建の資格取得を目指した理由は二つあります。
一つ目は、子育てを両立できずに今の仕事を退職した場合でも転職に有利なスキル、資格を持っていたかったからです。
当時はコロナ前で在宅勤務も普及しておらず、復職後は片道一時間以上かけての通勤とワンオペ育児が想定されていました。もしも今の仕事だと両立が困難、となった場合でも、なんとかなる!と思えるだけのお守りのようなものとして宅建の資格を持っておこうと考えたのです。
宅建は国家資格であり、不動産業などの宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければなりません。そのため、宅建の資格を持っていると不動産業界への転職に有利、とされています。
二つ目は、育休中に何かやった!という達成感が欲しかったからです。
もちろん育休中は安全に子どもを育てるということが一番重要です。
ただ、第二子の育休中ということもあり、なんとなく子どもとの生活のペースが掴めてくると、これでいいのかな…?という不安も出てきました。そのため、育休中にあえてちょっと難しい目標を掲げて過ごすことにしてみたのです。
2.資格取得と育児との両立のポイント
資格取得にあたっては、自分の予定を自由に計画できるわけではないという両立中ならではの課題があります。ここでは、私が工夫した点や育児中ならではの苦労についてご紹介します。
2-1. 両立にあたっての工夫
まずは、あくまでも目の前の子どもが最優先である、ということは自分自身によく言い聞かせて意識するようにしました。
勉強は主に子どもが寝ている時間にしていたため、毎日どのくらい勉強できるかは未知数です。そのため、勉強開始するときに試験までの計画を立てましたが、かなり前倒しで余裕のある計画を立てることにしました。
今までであれば、試験一週間前は夜更かしをしてラストスパート、ということもできましたが、育休中はそういうわけにはいきません。試験前に限って子どもが寝てくれない、という場合に焦ってしまわないように計画はゆとりを持って立てるようにしました。
次に、家族へ資格取得を宣言することです。
合格できるかわからないし、内緒で…と思うかもしれませんが、自分の計画通りに動くことができない育休中だからこそ、家族、特にパパの協力は不可欠です。
日々の勉強はスキマ時間を活用してできるのですが、試験当日や過去問を解く場合などはどうしてもまとまって確保する必要がありますので、パパや頼れる身内がいる場合には積極的に協力をお願いしましょう。
2-2. 育児中ならではの苦労
仕事と育児の両立でも苦労するポイントですが、家族の体調管理です。保育園に通う長女は集団生活ゆえによく風邪をもらってきて熱を出していました。第二子の長男も、長女の育休中に比べると、やはり風邪を引く回数は多かったように思います。
さらに、子ども達だけではなく、気にしなといけないのはママ自身の体調管理もです。
私の場合は、試験の一週間前に乳腺炎による高熱が続き、痛みと熱とで、全く勉強できない日が続きました。
繰り返しにはなりますが、子どもとの生活は予測不可能です。計画を立てて勉強することも大切ですが、ギリギリの計画は組まないこと。精神的に焦ってしまわないためにも、これはとても大切です。
3.宅建合格への勉強法
3-1. 勉強に要した時間と総勉強時間
宅建の試験は例年10月に実施されます。私が宅建受験を決意し、勉強を開始したのは同じ年の7月ですので、勉強した期間は3ヶ月ちょっとです。一日あたりの勉強時間はまちまちで、それこそスキマ時間に一問一答を少し、という日もあれば、子どもが良く寝てくれて3時間集中して取り組めた、という日もあります。
一般的に、宅建を取得するのに必要な勉強時間は300時間から400時間といわれています。私の場合は、卒業後10年ほどのブランクはあるものの大学時代に法学部で学んでおり、宅建での重要な出題範囲である権利関係(法律に関する問題)に親しみがあったため、一般的な勉強時間より少なく済んだのだと思います。
結果的に合格はしましたが、実は合格最低点ぴったりでの合格でした。
法律や不動産に関する知識がない場合は、半年以上は勉強期間をとっておくとよいと思います。
3-2. 実際に使った教材
次に、私が実際に使った教材をご紹介します。
勉強を始めた当初は、ちゃんと勉強を続けられるか心配だったため、あまりお金をかけないことを意識していました。そのため、中古で以下の教材・問題集を購入しました。
売れ筋のテキストだったこともありますが、文字があまり多くないため読みやすい点が気に入ってフリマサイトで購入しました。
また、今勉強というと机に向かって教材とノートを開いて勉強する、というイメージでしたが、育休中は机に座ってゆっくり勉強する時間はあまり取れません。
子どもが抱っこでないと寝ない子だったこともあり、寝ている子どもを抱っこしながらスマホを見る時間が長かったので、一問一答のアプリやYouTubeでの講義を見る時間がかなり多かったです。
利用していたアプリは「宅建 過去問」というものでしたが、無料で使えるアプリがいくつもあるので、これも複数ダウンロードしてみて自分にあうものを探してもらえればと思います。
YouTubeについては、「宅建みやざき塾」というチャンネルがおすすめです。
講師が印象的なので、眠くならずに見ていられるうえに、内容が映像として記憶しやすかったです。ゴロ合わせなども紹介しているので、なかなか覚えられない分野・本を読んだだけでは理解がしにくい分野は動画学習を取り入れるのもおすすめです。
3-3. 効果的に勉強をするために利用したもの
私の場合、子どもがいわゆる背中スイッチが敏感なタイプだったので、子どもを抱っこしたままソファに座って過ごす時間が長くありました。そのため、教材にラインマーカーを引きながらじっくり読む…なんてことは、日中はあまりできませでんした。
そこで大活躍したのが「ワイヤレスイヤホン」です。
あとはグッズではないけどスマホとタブレットも大活躍です。
子どもが抱っこで寝たらソファに座り、スマホのアプリで勉強タイム。ちょっと起きちゃいそうで歩き回ってゆらゆらしないといけないときはタブレットをおいてYouTubeを流しながら、ワイヤレスイヤホンでうろうろ。
育児中でも時間を有効活用できる、おすすめアイテムです。
まとめ
私が育休中に宅建の資格を取得した際の体験談を余すところなくご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?育児中でももしかしたら私もできるかも、と思っていただけた方が一人でもいれば幸いです。
ただ、最後に一つ。
すべて、子どもによります。
子どもによって、手のかかり具合はそれぞれ。勉強なんてできない人も当然いると思います。一番大切なのは、ママと子どもたちの健康です。それだけは、忘れないでくださいね。